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広州三年展(THE THIRD GUANGZHOU TRIENNIAL)

広州三年展1

最近1ヶ月ぐらいの間に3つの都市で大きな現代アート展を見た。
上海ビエンナーレ、横浜トリエンナーレ、そして広州トリエンナーレ。

ちょうど同じ時期に見たので、それぞれの共通性や違いがわかって面白かった。
共通性という点では、どの展覧会も映像ものがやたら多かったこと。逆に平面絵画が少なかった。

ボクはあまり映像ものは好きでない。もちろん、横浜ビエンナーレで見たペドロ・レイエスの人形劇やペーター・フィッシェリ&ダヴィッド・ヴァイスの作品など、楽しいものもある。

ペドロレイエス
(ペドロ・レイエス)

ペーターフィッシェリダヴィッドヴァイス
(ペーター・フィッシェリ&ダヴィッド・ヴァイス)

けど、誰かが延々としゃべっているだけとか、どこかの風景が脈絡なく延々と流れているだけといったものが多くて、それをずっと見ているのは疲れてしまう。
次に何が起きるんだろうと期待して見ていても最後まで何も起きない。

それに最近はYoutubeのおかげで日常的にいろんな映像を見ていて過食気味になっているし。

もうひとつ共通点といえば、どの展覧会も写真撮影がフリーだったこと。
中国ではどの展覧会でもみんなカメラでぱちぱち撮っているから普通のことなんだけど、日本はそういうことに割と厳しいと思っていたから、横浜ビエンナーレで写真を撮っていても注意されなかったのはちょっと意外だった。

広州トリエンナーレで印象に残ったのは、まず、張韵雯Amy Cheng(香港)の形象之海 To Seek an invisible Object of Hungenessという作品。穴のあいた大きな物体。

広州三年展2

中を覗くと鬼のような像が見えるというもの。
穴は小さいから全体を見ることはできない。いくつかの穴を覗きながら頭の中でイメージをつくっていく。
鬼のようなものもなんだか意味がわからずイマジネーションが膨らむ。

広州三年展3

数少ない平面絵画の中では、成瑞嫻Emily Cheng(アメリカ)の四季。色がすごくきれいだった。
四季というのは春、夏、秋、冬の4枚の絵が四方の壁にかけられていて、それをぐるっと見るという行為も含んでいる。

広州三年展4

映像ものでは周依Zhou Yiの3D映像、Hear, Earth, Heartが印象的だった。
ビルが吹き飛ぶ短い映像だけど、よくできていて、見飽きない。

広州三年展5

日本人も出展していて、鴻池朋子の作品が面白かった。
池のかたちをした面にアニメ映像が映し出されるのだけど、自分がアニメの世界に入って池を覗き込んでいるような不思議な感じになった。

広州三年展6

中国のアート展と日本のアート展でちがうと思うのは中国では子連れが多いこと。
現代アートを子供に見せてわかるのかな?と思うけど、まあ大人だってわからないのだから、子供はわからないから見せても意味がないとは言わない。
それに子供にアート作品は見せること自体はいいことだと思う。
けど、現代アートはエログロな作品が多くてそういうのを子供に見せるのはどうかと思う。

Allan deSouzaとYong Soon Minの Springtimes of John and Yoko: Bed Innという作品はベッドの上に男女のセックスシーンが延々映し出されていて観客はそのベッドに上がって作品を体験することができるというものだけど、そのベッドに子供を上げて遊ばせている父親は何を考えているんだろうと思ってしまう。

横浜ビエンナーレではマシュー・バーニーやヘルマン・ニッチュの作品の前に「この作品は気分が悪くなるような要素が含まれています。子供はご遠慮願います。」(正確には覚えてないけどそんなような趣旨だった)といった注意書きがあったけど、中国ではそんなことは気にしないんだろうなあ。

でも、中国ではホラー映画やスプラッタームービーの類は規制されているから、そもそもヘルマン・ニッチュなどは中国では見られないかもしれないな。

とはいえ、広州ビエンナーレでは映画の中の残虐殺戮シーンを延々とカラーコピーして展示していくパフォーマンス(徐震Xu Zhen, Not Over My Dead Body)をやっていた。
そのあたりの何が許されて何が許されないのか、中国の謎のひとつ。

広州三年展7

実は広州ビエンナーレには2度行ったのだけど、2度目に行ったときは先のSpringtimes of John and Yoko: Bed Innでセックスシーンの映像はなく、ただベッドが展示されているだけだった。
もしかしたら規制されたのかもしれない。

広州ビエンナーレを見てから横浜ビエンナーレを見たとき、デ・ジャヴのように感じた作品があった。
ミケランジェロ・ピストレットの17マイナス1。
この鏡が割れて飛び散っているのはどこかで見たことがあるって。
そう、広州ビエンナーレで見た賈藹力Jia AiliのUntitled。
コンセプトは違うみたいだけど、似ている。

17-1
(17-1)

広州三年展8
(Untitled)

2008年10月
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theme : アート・デザイン
genre : 学問・文化・芸術

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Author:chinausa
1999年頃から仕事で中国に来るようになって、中国好きに。
中国アートに興味があり、好きな画家は艾軒、馮長江、趙半狄、江衡など。

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